(仮訳)暗色の胞子のハラタケ目菌類2新属:CrassisporiumおよびRomagnesiella
Matheny, PB. et al., 2014. Crassisporium and Romagnesiella: two new genera of dark-spored Agaricales. Systematics and Biodiversity. …. Available at: http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/14772000.2014.967823 [Accessed December 12, 2014].
【R3-01364】2014/12/12投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

稀産種かつ所属未確定のGalerina clavusPachylepyrium属の一部の種に近縁で、かつ同属が多系統群であることを示した。
G. clavusに対して新属RomagnesiellaP. funariophilumなど3種に対して新属Crassisporiumを提唱した。
両属は系統的に近縁であり、単一の属とする選択肢も考えられたが、生息環境、襞の付き方、被膜の有無、担子胞子の形状および壁の厚さ、側シスチジアの有無などを基に区別された。

(新組み合わせ)

Crassisporium funariophilum (M.M. Moser) Matheny, P.-A. Moreau & Vizzini
旧名:Pachylepyrium funariophilum (M.M. Moser) Singer
(基礎異名はPholiotina funariophila M.M. Moser)
語源…(属名)厚い胞子
Pachylepyrium carbonicolaを本種のシノニムとした。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Crassisporium squarrulosum
本種より傘の直径が大きい
本種と異なり傘表面が微綿毛状~小鱗片状
本種より担子胞子のサイズが大きい
Crassisporium chilense
本種と異なりヨーロッパ・北アフリカ・北米西部ではなく南米南部に分布する
本種と異なり被膜がよく発達しない
本種と異なり被膜が白色ではなく黄褐色
本種より担子胞子のサイズがやや小さい

(新組み合わせ)

Crassisporium squarrulosum (Singer) Matheny, P.-A. Moreau & Vizzini
旧名:Pachylepyrium squarrulosum Singer
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Crassisporium funariophilum
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘表面が微綿毛状~小鱗片状でない
本種より担子胞子のサイズが小さい
Crassisporium chilense
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘表面が微綿毛状~小鱗片状でない
本種より担子胞子のサイズが小さい

(新組み合わせ)

Crassisporium chilense (M.M. Moser) Matheny, P.-A. Moreau & Vizzini
旧名:Pachylepyrium chilense M.M. Moser
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Crassisporium funariophilum
本種と異なり南米南部ではなくヨーロッパ・北アフリカ・北米西部に分布する
本種と異なり被膜がよく発達する
本種と異なり被膜が黄褐色ではなく白色
本種より担子胞子のサイズがやや大きい
Crassisporium squarrulosum
本種より傘の直径が大きい
本種と異なり傘表面が微綿毛状~小鱗片状
本種より担子胞子のサイズが大きい
Switzerland, Gräubunden, Rothenbrunnen

(新組み合わせ)

Romagnesiella clavus (Romagn.) Contu, P.-A. Moreau, Vizzini & A. de Haan
旧名:Galerina clavus Romagn.
※本種のエピタイプを指定した。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Crassisporium spp.
担子胞子がKOH中で帯赤褐色
5.8S rRNA+LSU+SSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁(同じモエギタケ科クレードに含まれる)
本種と異なり焼け跡に発生する
本種と異なり襞がやや垂生することが決してない
本種と異なり被膜を有する
本種と異なり担子胞子が類多角形
本種より担子胞子が厚壁
本種と異なり担子胞子に発芽孔を有する
本種と異なり側シスチジアを欠く
5.8S rRNA+LSU+SSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Galerina graminea
生息環境が同一
子実体がNaucoria
形態的に類似している(しばしば混同する可能性がある)
Psilocybe pratensis
生息環境が同一
子実体がNaucoria
形態的に類似している(しばしば混同する可能性がある)
Tubaria umbonata
生息環境が同一
子実体がNaucoria
形態的に類似している(しばしば混同する可能性がある)
Tubaria minutalis
生息環境が同一
子実体がNaucoria
形態的に類似している(しばしば混同する可能性がある)
本種と異なり傘に吸水性を有する
本種より担子胞子のサイズが小さい

(新組み合わせ)

Pholiota nubicola (Singer) Matheny & P.-A. Moreau
旧名:Pachylepyrium nubicola Singer
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Pholiota gummosa
柄表面が小鱗片に覆われる
担子胞子が豆形
担子胞子に顕著な発芽孔を有する
ITS領域の塩基配列が類似している(類似度95%)
Pholiota terrestris(ツチスギタケ)
ITS領域の塩基配列が類似している(類似度96%)

(その他掲載種)

Tubaria umbonata S. Lundell
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Romagnesiella clavus
生息環境が同一
子実体がNaucoria
形態的に類似している(しばしば混同する可能性がある)